こちらの記事で概要や採寸までの過程を紹介したマンニーナでのビスポーク。この記事では、完成した靴の詳細や履き心地、純正シューツリーのフィット感等を紹介します。
製作過程のアップデート
9月頃から、ジョバンニからインスタ経由で製作状況の写真が送られてきました。これは初めての経験でしたが、製作のステップを一緒に追うことができたのは楽しかったです。
完成・納品
都度連絡をもらいつつ、靴が完成したのが2019年12月。それから1週間弱で靴を受けとりました。
余談ですが、ドイツの郵便・配達サービスは日本と比較すると使い勝手が良くなく 、初回の配達で配達物を受け取れなかった場合、再配達はなく、自宅付近の集配センターまで取りに行かなければならないことが結構あります。この靴も20分ほどかけて取りに行く羽目になりました。日本が恵まれ過ぎている感もありますね。
そうこうして、少々手間取りましたが、無事靴を受けとることができました。
イメージ通りの完成品
こちらが完成した靴。
特に全体を流れるような曲線のブローギングが格好いい。バルモラルのような一直線上にすっと伸びたラインとは違った良さがあります。2・3アイレットのプレーントゥは珍しくないと思いますが、これに穴飾りが加わることで、程よく華やかになりました。立体的なトゥも迫力があります。
マンニーナオリジナルのメダリオン。フィレンツェらしさが出ていていい感じ。
ハーフラバーソール+オリジナルのヒールリフト
ヒールには傾斜がついておらず、どっしりした印象。
ヒールリフトにはマンニーナの刻印あり。ハーフラバー(ビブラム)なので、雨上がりの濡れた路面でも気にせず履けそうです。
シューツリー
シューツリーはバネ式。ラステッドシューツリーではなく、おそらく既製品用と同じものだと思いますが、ソールの反り返り防止という観点では十分です。マンニーナのロゴ入りで記念にもなりますね。
肝心の履き心地は…
晴天だったので、昨年末のスペイン旅行にて履き下ろしました。
2日間、いずれも15000歩ほど歩きましたが、幸い靴擦れや違和感を生じた箇所はなし。革は柔らかく、足当たりは良好。
ゆったり目のフィット感
フィット感は他のビスポーク靴と比較するとゆったり目で、1日歩いて足がむくんだときでぴったりくらいの感覚。足は甲周りでしっかりホールドされており快適ですが、普段タイト目のフィット感に慣れている足からすると、足先周りは気持ちタイトでもよいかなというのが正直なところ。これがマンニーナの設計思想によるものなのか、足がむくんでいたことによるものなのか、それともその両方なのかはわかりませんが、そのあたりの調整はこと仮縫い・フィッティングを経ない一発勝負の場合は難しいですね。ただ、攻めすぎて痛みが出ると元も子もないので、悩ましいところです。
なお、フィット感がしっくり来ないようであれば、再調整もご対応いただけるとのことなので、どうしても…ということであれば、相談してみるとよいでしょう。
短期旅行での採寸は難しい…
一般的に、フライト当日は(短距離であっても)気圧の変化の関係で足がむくんでいるので、事前に試着してマイサイズを把握していない限り、靴の購入は避けるのが無難と言われているかと思います。
採寸はフライトの翌日でしたが、同じくフライトの翌日の採寸だったマフテイのフィッティングシューズは特段緩い感じはなし。他方で、ウィーンでは朝一に採寸したのに対して、フィレンツェでは採寸前にドゥオーモに登ったりと相当歩いたので、それが採寸にあたりマイナスに働いた気がしています。
日程の都合上やむを得なかった点ではありますが、海外旅行中の採寸については、①少なくともフライト当日は避ける、②朝一にアポを入れるなど、採寸前に足を酷使しない、というのが大事ではないかと思います。
上のとおり、ベストなコンディションで臨めなかったのは私のミスなので、フィッティングについては話半分に聞いていただければと思います。
疲れにくさは平均的
疲れにくさという点では、他のビスポーク靴には劣りますが、マッケイ製法だからといって殊更に疲れやすいということはなく、グッドイヤー製法の既製靴と同程度と感じました。この点はそこまで心配しなくてもよいのではと思います。
最後に
デザインの自由度はビスポークの醍醐味。日本語で不自由なくコミュニケーションが取れるというのも大きいでしょう。10万円台前半という価格で、自分の好きなデザインでビスポークを経験できるという手軽さは国内では得難い魅力ではないでしょうか。この価格であれば、万が一失敗しても他のメーカーよりダメージも少ないですし…ポンテヴェッキオから近いので、旅行ついでに行ってみるのもありかもしれません。
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