ジョージクレバリーで念願のレイジーマンをビスポーク(採寸編)

George Cleverley
ロイヤルアーケードのジョージクレバリー

ロンドン移住後の2018年10月、兼ねてからの夢だったジョージクレバリーの店舗でアンソニークレバリーのチャーチルを模したレイジーマンをビスポークしました。この記事では、店舗での採寸の様子や注文の流れ、費用等を紹介します。

ロンドンの店舗でビスポークしたい!

2018年当時、木型からスクラッチするビスポークの経験は、2017年1月に完成したマーキスのイミテーションフルブローグのみ。

3年目を迎えたマーキスのフルブローグ。

マーキスの靴は疲れにくく履き心地はよいため、改善点をお伝えしたうえでそのまま2足目をお願いすることも考えましたが、仮に注文した場合の受け取りのタイミングが出国時期に近くなることが予想され、受け取ったとしても、(留学中のため)しばらく活躍の場がなさそうでした。また、7月からロンドン滞在が控えている中、せっかくなのでロンドンのビスポークメーカーで直接注文したいとの思いがふつふつと…ということで、渡英準備と並行してお店の選定を始めました。

どのお店にお願いするか?

次の問題はどこで注文するか。ロンドンに来たからにはベタに老舗でお願いしたいと思い、ジョンロブ(ロンドン)、フォスターアンドサン、ジョージクレバリーのいずれかに絞り込みました。その上で、お店の選定にあたって、以下の点を比較検討しました。

  • 値段
  • アフターケアへのアクセス
  • ハウススタイル
  • フィッティングの有無

値段

国内のビスポーク店(30~40万円台)と比較してもかなり高めのため、この要素は大きかったです。実は以前にも問い合わせをしたのですが、直近1年間で結構値上がりしていました。。特にフォスターの値上がり度合いは、当時のレートで70万円オーバーと、日本のトランクショーで注文しておけばよかったと後悔させるに十分なものでした。。。

  • クレバリー:2950ポンド(2018年2月)→3800ポンド(2018年9月)
  • フォスター:3960ポンド(2017年6月)→5000ポンド(2018年2月)

※いずれもシューツリー込み、VAT込みの値段。2足目以降の木型代ディスカウントはなし

ちなみに、クレバリーでは先日のストーリーの投稿を見る限り、2019年12月現在も同じ値段で注文できるようです。

アフターケアへのアクセス

長期間履くことが想定されるだけに、フィッティングの調整やオールソールを含めた修理等のアフターケアへのアクセスの容易さも見過ごせないポイント。この点についてはもちろん国内のメーカーに分がありますが、上記2店舗をはじめとして主要な店舗は日本へのトランクショーを定期的に実施しており、さほど心配はなし。

ハウススタイル

気に入ったハウススタイル/定番モデルがあるかも重視。この点、フォスターとロブロンドンでは公式サイト等を見てもこれをお願いしたい!というスタイルがいまいち見当たらなかったのに対して、クレバリーのレイジーマン(elastic sided oxford)は一見して格好いいなーと思いました。中でも、アンソニークレバリーのチャーチルは昔から伊勢丹等で見て気になっていましたが、自分の足には細すぎて入らず断念した苦い記憶が。。。

チャーチルは、ジョージクレバリーの顧客だったかのサー・ウィンストン・チャーチルが戦時中に脱ぎ履きしやすい靴が欲しいとのことで制作されたビスポークがもとになったスタイル。そのストーリーも魅力的でした。

フィッティングの有無

フォスター・クレバリーではフィッティングが1回は予定されているのに対して、ロブロンドンでは原則フィッティングが行われないと聞きました。ビスポークの経験値不足及び言語上の問題から、フィッティング上の懸念点を一発で的確に伝えられる自信がなかったため、ロブロンドンは難しいかなと感じました。

と、あれこれ考えた末、値段もこの中ではまだ安く、主だった懸念が見当たらなかったクレバリーで、アンソニークレバリーのチャーチルをベースに注文することに決定。代わりに、ロブロンドンでは記念に眼鏡ケースをオーダーしました(詳細はこちら)。

いざ採寸へ

ということで、2018年10月にアポイントメントを取ったうえで、ロイヤルアーケードの店舗に伺いました。

ロイヤルアーケードのジョージクレバリー

担当はWorkshop Manager兼Head CutterのAdam Law。チームの取りまとめとともに、主にラストの制作を担当しています。

採寸

簡単な自己紹介の後、早速アダムによる採寸に入りました。

まずは座った状態で足の外延をイラストブック的な冊子に形どったうえで、フィッティング用の台に足を載せて採寸開始。採寸はボールジョイント等の全周、指や甲の高さ等をチェックするオーソドックスなもの。今思えばシートの写真もお願いして撮影させてもらえばよかったかもしれません。。

スタイル・革の決定

スタイルについては黒のチャーチルにしたい旨事前に伝えていましたが、まったく同じだとつまらないので、多少ひねりを入れたいと考えていました。そこで、①レース部分の色を青に変更するとともに、②レースステイ部分の革をカーフから変更することに。

②については、アダムから、(1)ピッグスキン(アップチャージなし)(2)アリゲーター(アップチャージ200ポンド)(3)オストリッチ(アップチャージ100ポンド)の提案を受けました。面積が少ないとはいえ、アリゲーターは仕事用にはやりすぎ感があったので外しましたが、ピッグスキンとオストリッチとのいずれにするかはその場では決められず、後日に持ち越しに。結局、相対的により均一な風合いであるピッグスキンを選択。

左がオストリッチ、右がアリゲーター。

メダリオンは以下のパターンのほか、自分で指定したデザインでお願いすることもできましたが、最初なのでチャーチルと同じNo.1に。

サンプルも色々見せてもらいました。楽しい時間。
こちらは別のビスポークサンプル。少なくとも30年近く前からあるそうです。

次はフィッティング

一通り工程が終了したのち、半金を支払って当日は終了。フィッティングは約半年後の2019年3月~4月頃と伝えられました。長くなったので、フィッティング~納品の詳細は別記事にまとめたいと思います。

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