過去記事で紹介したノーザンプトンのファクトリーショップ訪問。ノーサンプトンまで来たのなら、革靴を買うだけでは勿体ない…この記事では、当地の革問屋、A&Aクラックの詳細について紹介します。
基本情報
- 営業時間:9時~16時(月~木)、9時~13時(金)
- 定休日:土日
正式名称は A&A Crack & Sons Ltd.「~&Son」は、イギリスではよく見かける商号です。フォスターアンドサン、ジェームズスミスアンドサンズなど、服飾関係のお店でもいくつかありますね。
ノーザンプトン駅からはタクシーで10分強(歩いて行くには遠いと思います)。事前にお店にメールしてアポイントを取っておくとよいでしょう。金曜日は13時まででしか開いていないので、早めに回る必要があります。
なお、本記事の情報は私が現地を訪問した2019年7月時点のものであり、その後変更の可能性があることにつきご留意ください。
世界中の革のデパート
入口は決して大きくはないのですが、実はかなり奥行きがあります。内部は大きな倉庫と小部屋に分かれています。
内部に案内されると、Would you like a cup of tea?と紅茶を振る舞ってくれました。コーヒーではなく紅茶というのがなんともイギリスらしくて素敵です。
革尽くしの倉庫
倉庫に入ると、革の匂いがぶわっと押し寄せてきました!
世界各国の革がタンナーごとにこれでもかというほど大量にストックされています。アノネイ、ゾンタ、ホーウィン、テンペスティ、ベイカー…様々な色、種類の革が勢揃い。アルファベット順で管理されていましたが、とても見切れる量ではありませんでした。
迫力満点のエキゾチックレザーももちろんありました。
イギリスの主要な靴屋も買い付けに来ているそうで、ちょうど前日にクレバリーが大量の革を調達していったそうです。担当してくれたのはトニーさんでしたが、後日クレバリーでその話をすると、彼はやり手なんだよという話をしていました(笑)
1シート1000ポンドとさすがに値は張りますが、ロシアンカーフも普通に売っていました。が、どうやら現在は非売品扱いになってしまったようです。。独特の匂いがたまりません。
ちなみに、本物のロシアンカーフ以外にも、独自に製造したというレプリカもありました。少しオレンジがかっていますね。
ウェブサイト上に取り扱っている革が掲載されているので、気になる革がある場合は事前にメールで相談しておくとよいでしょう。
インドネシア人の友人は帰国後に懇意にしているビスポークシューメイカー(winsonshoemaker)に一足誂えてもらうための革を物色。
途中電話で職人さんと相談しながら色々見せてもらっていましたが、最終的にゾンタのクラレットのミュージアムカーフを選択。こちらは1シート200ポンドでした。
これで2足分+残りで革小物を作れるくらいとのこと。
戦利品を抱えてクロケットに向かう友人の図。インドネシアには自分で革を半分に裁断して持って帰ったそうです(笑)
小部屋には掘り出し物がたくさん
小部屋には、一部裁断されたシートや革の切れ端などがバラ売りされています。ほんの一部だけ裁断されたものもあり、上手く選べば一足分取れそうなものも。ジョンロブのラッパーが巻かれた革もあり、どういったいきさつで残ってしまったのか…
私はマウスパッド用に手頃な大きさの革があればいいなーと思っていたところ、ちょうど長方形型の手頃な革がどっさりありました!
選択肢が多過ぎて悩みましたが、表面をバーガンディーと黒の2セット、裏面を滑りにくいようにネイビーのスエードを選択。帰国したら取りかかりたいと思います。
ちなみに、コードバンはあるか尋ねたところ、カラー8のチップを箱から取り出してくれました。その場では何に使うかはっきりとしたアイデアはありませんでしたが、買わずにはいられない…ということでとりあえず1枚(笑)占めて25ポンドでした。
エキゾチックレザーの切れ端もストックがあり、友人は時計ベルト用に購入。何枚か買えば安くするよともちかけられ、まんまと乗せられていました(笑)
最後に
私自身は友人に付き添う形で訪問しましたが、ロシアンカーフはもちろん数えきれない革を見ることができ眼福でした。自分で調達した革で靴を作る(作ってもらう)というのも、代えがたい魅力なのではないでしょうか。ぜひノーザンプトン旅行にあたり検討してみてください。
おまけ:モロッコのシープスキン
シューケア用の敷革として使用しているのがこちら。昨年のモロッコ旅行で訪れたフェズのタナリーで購入したものです。大分値切りましたが、結局6000円程度で購入。AAクラックの価格と比較すると、革の種類こそ違うものの。ぼったくられた感は否めません。。笑
フェズのタナリーの様子はこちらにまとめています。
コメント
はじめまして。
先日クラックに問い合わせたのですが、オリジナルのロシアンカーフは一枚しか持っておらず、更に、何ポンド積まれても売らない(Not for sale)とのことだったのですが、こちらのエントリ内にあります1シート1000ポンドものはレプリカではないのでしょうか?
メールでもよろしいので返答頂けると幸いです。
初めまして、コメント頂きありがとうございます。
念のため同行した友人にもダブルチェックしましたが、我々がお店を訪れた時点では、確かに店員さんから本物のロシアンカーフを見せてもらい、1枚1000ポンドという話でした。その後非売品扱いになってしまったのかもしれません。もしかすると、1枚1000ポンドという話自体、店員さんのリップサービスだったのかもしれませんが(笑)
クレバリーが作っているロシアンカーフの革小物と、ベイカーとクロケットが共同開発したレプリカ(クロケットではロシアングレインとして販売)のいずれも持っており、風合いの違いは認識しているつもりですので(レプリカはより均質です)、おそらく見間違いはしていないかと思います。
記事に写真を投稿したレプリカについては、値段を確認しなかったのでわかりません。
現在の扱いを踏まえて記事を調整しました。情報ご提供いただき、ありがとうございました。