ロンドンから日帰り旅行【バース編】

「バース(Bath)」は、その名前から想像できるとおり、温泉地として栄えた観光都市です。ローマ時代(紀元前1世紀)に建てられた「ローマン・バス」(世界遺産)はもちろん入浴不可ですが、すぐ近くにある天然温泉「サーメ・バース・スパ」は入浴可能です。また、町全体が世界遺産に登録されている他、世界遺産が徒歩圏内に4か所あり、温泉に入らずとも十分観光を楽しめます。本記事では、ロンドンから日帰りで行けるバースの観光スポットをご紹介します。

電車かバスか?

ロンドンからバースへは、電車かバスで行くのが一般的です。バスで行く方が時間がかかりますが安く済みます。

 片道往復費用
電車パディントン駅バース・スパ駅約1時間半約£60~
バスヴィクトリア・コーチ駅バース駅約3時間弱約£15~

私はバスで行きましたが、以下の主要観光スポットを観光するのに時間は十分でした。

  • ローマン・バス(Roman Baths)
  • バース・アビー(Bath Abbey)
  • サリー・ランズ(Sally Lun’s)
  • ロイヤル・クレッセント(Royal Crescent)
  • アセンブリー・ルーム(Assembly Rooms)

もし「サーメ・バース・スパ(Thermae Bath Spa)」で入浴するのであれば、バスだと滞在時間が短く感じるかもしれません。

電車・バスのチケット費用は予約のタイミングやシーズンによって異なるため、正確な価格は公式サイトからご確認ください。
電車(GWR)の予約サイト:
https://www.gwr.com/plan-journey/stations-and-routes/london-to-bath
バス(National Express)の予約サイト:
https://www.nationalexpress.com/en

【世界遺産】バース・アビー

バース・アビーは史上初の統一イングランド王となったエドガー王が戴冠式を行った由緒ある寺院です。主な見どころとしては、①エドガー王の戴冠式が描かれたステンドグラス、②特徴的な柱から扇状に広がるアーチ形天井があります。入場料無料でサクッと30分くらいで観て回れる寺院でした。

外観。ローマン・バスのすぐ近くにあります。
戴冠式のステンドグラス
美しい扇型アーチ

今回、一緒に旅行したクリスチャンのオーストラリア人の友人から、ステンドグラスの読み解き方を教えてもらいました。物によるそうですが、一般的に、左から右、下から上にキリストの人生が描かれているそうです。これを教わるまで、教会のステンドグラスを「綺麗だなぁ」「聖書の一場面っぽいなぁ」としか思っていなかったので、目から鱗です。ヨーロッパに住んで思いましたが、教養として聖書の概要を知っていた方が絵画や歴史的建造物を見る際に、より深く楽しめる気がします。

住所:Bath Abbey, Ba1 1LT
営業時間:月9:30-17:30/火-金9:00-17:30/土9:00-18:00/日13:00-14:30,16:30-17:30
料金:無料(£4の寄付推奨)
公式サイト:https://www.bathabbey.org/
※塔を登る有料ツアー(£6)もあります。

【世界遺産】ローマン・バス

紀元前1世紀にローマ人によって建てられた大浴場で、博物館も併設されており、バースで一番人気の観光スポットだと思います。オーディオガイドには日本語もあります。

ローマン・バス入口。混むときは外まで行列ができます。

施設内には単なる浴場だけでなく、プールにサウナ、床暖房、マッサージ室などたくさんの部屋がある他、神殿の痕跡を含む様々なモニュメントの展示物があります。昔の人々は温泉の持つ力を神の力と信じていたようで、湧き出る温泉を聖泉と崇め、温泉施設に神殿も併設していたとか。日本でいうと大きな健康ランドに神社がくっついている感じでしょうか。とにもかくにも、単なる温泉施設というわけではなく、当時の人々にとって社交場の中心地だったようです。

見どころが多くオーディオガイドの内容もとても充実しているため、全部聞いて回るとかなり時間がかかるし、飽きてきます(個人の感想です)。自分の気になるところだけ、取捨選択して聞いて回るのが疲れず楽しむポイントかなと思いました。ちなみに、ここでは入浴できませんので悪しからず。

ローマン・バス
住所:Stall St. BA1 1LZ
営業時間:3-6月中旬、9-10月9:00-18:00/6月中旬-8月9:00-22:00/11-2月9:30-18:00
入場料:£15.5-17, 学生£13.75
公式サイト:https://www.romanbaths.co.uk/

なお、ローマン・バスには18世紀の富裕層が社交場として活用していた優雅なティールーム「ポンプ・ルーム・レストラン」が併設されています。私は行っていませんが、アフタヌーンティーが(£26)人気で、ローマン・バスのチケットを持っていると無料で温泉水も飲めるそうです。このレストランや温泉水はNHKの「世界ふれあい街歩き」にも登場しています。

ポンプ・ルーム公式サイト:
https://www.romanbaths.co.uk/afternoontea

サーメ・バース・スパ

テルマエ・ロマエを知っていると「テルマエ」と読みたくなりますが、英語読みで「サーメ(Thermae)」です。伝統的な英国式スパで、イギリスで唯一の天然温泉施設です。私は行っていませんが、屋上にある露天スパからはバースの美しい街並みが見えて人気です。

Thermae Bath Spa
住所:Hot Bath St. BA1 1SJ
営業時間:9:00-21:30
料金:2時間£35、土日は£38
公式HP:https://www.thermaebathspa.com/

サリー・ランズ

バース名物の丸いふかふかのパン「サリー・ラン・バン」。サリー・ランズはそれが食べられる老舗レストランで地下は博物館になっています。建物自体が1482年に建てられたバース最古のものらしく、店内も趣があります。

周りのお客を見てみるとレモンカードを頼んでいるお客さんが多かったので「Amazing Lemon Curd(£4.68)」を頼みました。フカフカのパンに風味豊かで甘すぎないレモンカードがとてもよく合い美味しかったです。

このパンは持ち帰ることもできて、持ち帰り用の箱が可愛いです。

サリー・ランズ(Sally Lun’s)
住所:4 North Parade Passage, BA1 1NX
営業時間:10:00-21:30(金土10:00-22:00)

【世界遺産】ロイヤル・クレッセント

ロイヤル・クレッセントとは、美しい三日月(クレッセント)型の弧を描いた一連の建物です。18世紀にジョン・ウッドによって設計・建築されました。ローマン・バスなどがある町の中心地から少し離れていますが(徒歩15分程度)、とても美しいので必見です!私はここがバースで一番好きです。

建物の前に広い芝生スペースがあるので、是非そこからバースを代表する建築美を堪能してみてください。私は行ったとき知らなかったのですが、家の中の一つはナンバーワン・ロイヤル・クレッセント(No1 Royal Crescent)という博物館になっているそうです。
公式HP:https://no1royalcrescent.org.uk/

建物は今も住居として使用されていて、各家の手入れされた植木を見て回るのも楽しかったです。

ロイヤル・クレッセント
住所:No.1 Royal Cres., BA1 2LR

【世界遺産】アセンブリー・ルーム

ロイヤル・クレッセントとほぼ同時期に、同じ建築家(ジョン・ウッド)により建てられた集会場で、舞踏会やお茶会などが行われる社交場として使用されてきました。その内装の美しさから、建築当時は「王国で最も高貴でエレガントな場所」と言われていたようです。第二次世界大戦で消失し、今あるのは忠実に復元された建物だそうです。アセンブリー・ルームの各部屋は現在でも結婚式やパーディーで使用可能です。世界遺産の建物内でパーティーできるなんて素敵ですね。

地下にはファッション博物館があるのですが、私が行ったときには閉まっていました。地上階の無料エリア(アセンブリ―・ルーム)を見るだけであれば、滞在時間は20分程度あれば十分かなと思います。他と比べると見ごたえが劣るので、時間がなければここはスキップしてもいいかもしれません。

アセンブリー・ルーム
住所:Bennett St. BA1 2QH
営業時間:3-10月10:30-18:00, 11-2月10:30-17:00
料金:無料(ファッション博物館は£9)

まとめ

バースはロンドンからの距離も、街の大きさも、観光スポットの多さも、全てが「日帰りにちょうどいい」観光都市だと思います。温泉に入るもよし、世界遺産を堪能するもよし。気軽に行ける街なので、ロンドン以外の街を見たい、という方はぜひ旅の選択肢に入れてみてください。



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