【チェルシーフラワーショー】チケット販売開始!英国最大の花の祭典

ロンドンイベント

毎年5月に開催される英国最大の花の祭典、RHSチェルシーフラワーショーのチケットが販売開始されました。2020年の一般公開日は5月21-23日の3日間です。直前期にはチケットが値上がるのでチケット購入はお早めに!本記事では2019年にフラワーショーに行った体験を元に、このショーの概要や楽しみ方を紹介したいと思います。

【追記】2020年バーチャル・チェルシーフラワーショー

(2020年5月20日追記)
残念ながら新型ウィルス対策のため、2020年のチェルシーフラワーショーは観覧中止です。しかし、公式サイトによると「バーチャル・チェルシー・フラワー・ショー」として2020年の展示や作成者へのインタビューの動画が見られるとのこと。2020年5月23日までの期間限定ですので要チェックです。

https://www.rhs.org.uk/shows-events/virtual-chelsea
The RHS Chelsea Flower Show goes digital once again with a lively mix of gardening tips, celebrity green spaces and exclusive peak behind the scenes

↓以下は、2020年2月に記載したブログ記事です。

基本情報

RHSチェルシーフラワーショー (RHS Chelsea Flower Show)
日時:2020年5月19-23日(一般公開は21-23日のみ)
場所:London Gate, Royal Hospital Road, Royal Hospital Chelsea, London, SW3 4SR
ディストリクトライン、サークルラインのスローンスクエア(Sloane Square)駅から徒歩10分
公式HP:https://www2.theticketfactory.com/rhs/online/tickets/rhs-chelsea-flower-show/

一般公開チケットの種類:
①一日券(8amから入場可):69.75ポンド
②3:30入場券:45.75ポンド
③5:30入場券:39.75ポンド
※チケットは公式サイトから購入可能。5月に入ると値上がりします。
※5歳未満の子供の入場不可

私は3:30入場券を買いました。全部は見切れませんが、庭園展示やパビリオン内を一通り観ることができたので、個人的には十分でした。もし1日券を買っても人ごみに疲れて早く帰ってしまったでしょう。ガーデニングが好きでじっくり見て回りたい人や、中でご飯をゆっくり食べたい人は一日券でも良いかもしれません。

私はショーの2か月前(3月)にチケットを購入しましたが、ちらほら売り切れが出ていました。早めのチケット購入をおすすめします。

会場外でもスローンスクエアを降りると町全体が花々で飾られてお祭りモードです。

会場はとても混雑しています。

チェルシーフラワーショーとは

チェルシーフラワーショーは、王立園芸協会(RHS)が主催する、100年以上の歴史をもつ英国最大のフラワーショーです。20世紀以降、ロイヤルファミリーが参加・出展し始めて特に人気が高まりました。今では例年15万人を超える人々が訪れます。

フラワーショーの目玉は、世界最高峰のガーデニング・デザイナーらによって設計された庭園の展示です。その他にも、日本ではなかなか見ることができない珍しい花々や豊富なガーデニング用品が販売されています。また、しっかりとした食事がとれるレストランに軽食が楽しめるカフェや屋台、ライブ演奏が行われるスペースもあります。

こちらの公式Youtube動画を見るとイメージしやすいです。

日本人も大活躍!目玉の庭園展示コーナー

フラワーショーの最大の目玉は屋外の庭園展示コーナーです。大まかに2種類あって、1つ目が大手スポンサーが著名デザイナーを使って展示する大規模な「ショー・ガーデン(Show Garden)」。展示によっては億単位の資金が投入されており、庭の中に巨大なモニュメントや橋などの構造物が配置され、豪華なデザインで表現を競います。

もう一つの人気展示が「アーティザン・ガーデン(Artisan Garden)」です。各展示スペースは小規模ですが、新進気鋭のガーデンデザイナーにとって格好の発表の場です。出展に際してはデザインの内容はもちろん厳しい審査が課せられるのですが、彼らにとって最大の難関は資金集め。数千万の資金が必要になるそうで、アーティザン・ガーデンの出展者は資金調達に奔走するそうです。2019年に初挑戦でゴールドを受賞した柏倉一統さんと佐藤未季さんは、資金集めが大変で、クラウドファンディングや寄付を募ってなんとか資金を調達できたとのことです。

各作品に贈られるメダル

ショーでは、優秀な作品には以下の賞が贈られます(メダルなしの作品もあります)。ショーに出展できるだけでも凄いことなので、ゴールドを獲得することは非常に名誉なことです。

ゴールド (Gold)
シルバーギルト (Silver Gilt)
シルバー(Silver)
ブロンズ(Bronze)

受賞はショー前に発表され、各展示の横にわかりやすく表示されています。そのため、観覧の際には今見ている作品が何を受賞したのかわかるようになっています。自分の感性と受賞が一致していないと、「あれれ?私、感性ないのかな…」と思ってしまったり、ちょっとした答え合わせ感覚で楽しめました。

この作品素敵!と思ったけれどゴールドじゃなかったです。

ゴールド常連の人気デザイナー:石原和幸

石原和幸さんは、2019年のアーティザン・ガーデン部門に日本庭園「Green switch(グリーンスイッチ)」出展し、見事ゴールドを受賞しました。なんとこれで8年連続、合計11個目のゴールド・メダル受賞です!これは前人未到の快挙とのこと。出展するだけでも大変なこの祭典でこの結果は偉業ですね。私が行った時も、石原さんの展示エリアは人が一際多く集まっていて、人気の高さを感じました。日常生活の緊張をスイッチ・オフし、好きな物に囲まれて自分を解放する庭が作品のコンセプトです。

石原和幸デザイン研究所公式サイト

初出展でゴールド獲得の快挙:柏倉一統・佐藤未季

2019年に作品「漢方の庭」を初出展し、見事ゴールドを受賞した柏倉一統さんと佐藤未季さん。二人の庭づくりの核となるコンセプトは「健康と幸せを実現する庭」。柏倉さんは病弱だった幼少期に薬草によって助けられた経験から、佐藤さんは落ち込んだ時に植物によって癒された経験から、植物の持つ、人を元気に、そして幸せにする力を大切にするようになったそうです。作品は彼らの地元の北海道で育つ薬草が主に使われており、人を元気にする「魯班尺」という風水を意識してレイアウトされています。

「漢方の庭」に関する特集記事(外部サイト)はこちら

キャサリン妃デザインの庭園

2019年のフラワーショーでは、キャサリン妃が専門家と協力してデザインした庭園が展示されました。コンセプトは「自然への回帰(Back to Nature Garden)」。庭園には小川、洞穴、ブランコ、キャンプファイア、飛び石等が置かれています。自然への回帰は想像力や身体能力を高め、ストレスを軽減するとして、子供たちが自然の中で遊ぶことの重要性をインタビューで語っていました。この人は本当、才色兼備ですね。このエリアが一番混みあっていました。キャサリン妃デザインの庭で遊ぶ家族の様子がインスタにアップされていて、癒されました。

グレート・パビリオン

グレート・パビリオン(Great Pavilion)という屋内エリアでは、様々な種類の花・植物が展示され、種・苗・鉢植えなども売られています。盆栽も展示されており、人気コーナーでした。

園芸用品も豊富に販売

私は庭なしアパートに住んでいるのでじっくりは観ませんでしたが、庭いじり用のグローブから屋外チェアや噴水まで、多様なガーデニンググッズが売られています。熱心に物色している人がたくさんいて、イギリス人の強いガーデニング愛を感じられて面白かったです。

予習はBBCで

ショーの直前期には、BBCがチェルシーフラワーショーを特集した番組を毎日放送しています。私はこれを見て予習しました。会場でも充実したパンフレットが配られるのですが、いかんせん出展数が多すぎて、今見ているのがどの作品なのかを見つけるのにも一苦労。映像ならすんなり情報が入ってきやすいし、各デザイナーがこだわった点なども紹介されていて、観るときの助けになりました。

まとめ

2019年のチェルシーフラワーショーに行って思ったのは、イギリス人が多いなぁ!ということ。アジア人や移民っぽい人は少なかったです。もしかしたら、イギリス人以外にとって知名度が低いのかもしれませんが、世界最高峰のチェルシーフラワーショーは一見の価値があると思います。イギリス人の強烈なガーデニング愛を感じられるいい機会ですよ。

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