ロンドンから日帰り旅行【リーズ城・ドーバー・カンタベリー②】

ホワイトクリフ(白い崖)で有名なドーバーからは、晴れた日にはドーバー海峡の対岸のフランスを見ることができます。ロンドンから車で約2時間と気軽に行けるだけではなく、前回紹介したリーズ城や、世界遺産のあるカンタベリーに近いことから、他の観光スポットと併せて楽しめるのもその魅力の一つです。本記事では、ドーバーとカンタベリーをご紹介します。

観光ルートと所要時間

私は以下のルートでリーズ城、ドーバー、カンタベリーを一日で回りました。日帰り旅行にちょうどよい距離と時間でしたよ。

ロンドン市内
↓約1時間15分
リーズ城【滞在時間2時間程度】
↓約45分
ドーバー(ホワイトクリフ)【滞在時間1時間程度】
↓約30分
カンタベリー【滞在時間2時間程度】
↓約1時間30分
ロンドン市内

車がない人には、ヴィクトリア駅発のバスツアーがあります。

ロンドンからリーズ城への日帰り旅行は前回の記事をご覧ください。

ドーバー

ホワイトクリフ

National Trust The White Cliffs of Doverの駐車場からフットパスを10分ほど歩いたところから見える景色がこちら。

崖の高さは約110m、白さの理由はチョークを多く含む土にあります。チョークが海に溶け出して、崖に近い浅瀬は入浴剤を入れたように淡く白く濁っていて、それがまたとても美しかったです。

もっと歩くと小さなティールームや難破船が見られるスポットがあります。我々は時間の都合上、そこまで深入りはしませんでした。

ドーバー海峡

ドーバー海峡はイギリスとフランスを隔てる海峡の最狭部です。そのため、晴れた日にはドーバーから対岸のフランスのカレーが見えるので、晴れた日に行くのがおすすめです!

写真だとわかりづらいですが、私が行ったときもうっすらとフランスを見ることができました。

ウリナリ世代の私が「ドーバー海峡」でまず思い浮かぶのは「ドーバー海峡横断部」。ウッチャン達が6人リレー方式で、約16時間半かけてドーバー海峡を横断するというセンセーショナルな企画でした。直線距離は約34kmですが、潮が速い上に水温が低く、真っ暗な夜も泳がなければならないのですごく大変そうだったのを子供ながらに覚えています。

ドーバーから対岸を見て改めて思うことは、「昔のテレビ、えぐいな…」の一言。とても泳いで渡れる気がしない景色でした。この海をリレー方式ではなく単独で泳ぎ切った人もいるというのだから驚きです。

ドーバー港

絶景ポイントから下に目をやれば、世界一交通量の多い港の一つ「ドーバー港」が見えます。

ドーバー港からはフランスのカレーやダンケルクに行くフェリーが約30分毎に運航されています。このフェリー、車も乗り入れできるので、この港から車でヨーロッパ大陸に行くのも素敵ですね。

ドーバー城

絶景ポイントからは、「ドーバー城」も見ることができます。フランスに最も近い場所という地理的重要性から、イギリスの要塞として歴史上重要な役割を果たしてきたお城です。13世紀にフランスの王太子ルイに包囲されても陥落しなかったことから、「イングランドへの鍵」と呼ばれているそうです。第一次・第二次世界大戦でも指令部が置かれるなど重要な役割を果たしていました。

私は行っていないのですが、ウィンザー城と並んで英国最大規模の城塞で、見ごたえがありそうです。入場料は大人£17です。

Dover Castle
The mightiest medieval castle you will ever see, a visit to Dover towers above all other days out.

ドーバーと007

誰もが知っている英国スパイ映画「007」。主役のジェームズ・ボンドのコードネーム「007」は、実はドーバーからロンドンへ行くバスの路線が由来です。作者が「007」の構想を練っていた当時、よくドーバーからロンドンにバスで通っていました。その路線番号が「007」なんですね。まさかバスからインスピレーションを受けていたとは…!

カンタベリー

カンタベリーはドーバーから車で約30分程です。ドーバーでの見どころは、やはりイギリス国教会の総本山で世界遺産でもある「カンタベリー大聖堂」でしょう。

カンタベリーの街自体は小さく、大聖堂以外はちょっとした商店街と小さな運河くらいしか見どころがないかなという印象です。大聖堂の敷地の総面積は、なんとカンタベリーの街の5分の1の広さだそうです。

大聖堂の敷地の入口である、クライストチャーチ門。16世紀に建てられたもので、たくさんの天使がキリストを囲む装飾が印象的です。
大聖堂の中はとても広かったです。
大聖堂の窓のほとんどがステンドグラスになっていました。天井が高く窓が大きいため、迫力がありました。

この大聖堂は、1170年に大司教トマス・ベケットが暗殺された場所としても有名です。トマス・ベケットは宗教裁判所の管轄等を巡り当時の国王ヘンリー2世と対立していました。だいぶ噛み砕いて言えば、国王が部下たちにベケットの事を愚痴ったところ、部下の騎士4人がその意図を汲み違えて、この大聖堂でベケットを暗殺してしまったのです。

トマス・ベケットの暗殺の剣のオブジェ(これで殺されたわけではありません。)

トマス・ベケットの暗殺を聞いた国王は大慌て。国王が恐れたとおり、民衆はトマス・ベケットを崇め、国王に反発します。ローマ教皇もこの暗殺に激怒します。結局これがきっかけでヘンリー2世の立場が悪くなり、ローマ教皇に降伏したり息子たちに裏切られたりするように…。対するトマス・ベケットは没後3年で聖人に認定されるという異例のスピード出世(?)を果たしました。

なお、大聖堂の入場料は大人£12です。

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まとめ

ドーバーは屋外ですし、コロナが気になる人でも行きやすい日帰り旅行スポットだと思います。晴れた日は対岸のフランスが臨めるだけでなく、海の色も鮮やかなので特におすすめです。カンタベリー大聖堂も見ごたえのある世界遺産ですので、帰りがけに是非寄ってほしいポイントです。

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