ジェイエムウエストンの代表作の一つであるゴルフ。今シーズン、その兄弟分ともいえるユージーンゴルフ (Eugene Golf) が登場しました。この記事では、先日ジェイエムウエストンの公式通販を通じて入手したユージーンゴルフを紹介します。
円高!
2020年3月に入り、コロナウイルスの影響で円高の波が押し寄せてきました。特にポンドについては、1ポンド≒125円といった昨年のブレグジット騒動に匹敵する円高に。またユーロも1ユーロ≒117円程度と、ポンドほどのインパクトはないものの下落していました。
この状況で、タイミング良く(悪く?)物欲を刺激する雑誌(断然革靴派)が。。そのなかで俄然気になったのが、ジェイエムウエストンの新作、ユージーンゴルフ。モデル名はブランドの創業者の息子さんの名前に由来するそうです。ブラックスエードにノルウィージャン製法を組み合わせた特徴のある仕上がり。善は急げと、早速店舗に問い合わせました。
ジャーミンストリート店は銀行振込のみ
まずは為替メリットを生かすべく、ロンドンのジャーミンストリート店に問い合わせ(といっても、問い合わせ時点ではヨーロッパで営業している店舗はジャーミンストリート店のみでした)。
価格は680ポンド、シューツリー90ポンド、送料(ドイツまで)50ポンドと占めて820ポンド。日本価格が126500円(シューツリー除く)のようなので、数万円安いです。
ただ、支払方法はクレジット不可、銀行振込のみで、これでは為替メリットが生かせないため、購入は見送りました。
公式通販はクレジットカード決済OK
そこで、ウエストンの公式サイトで案内されていた電話番号に連絡して問い合わせしたところ、在庫あり。クレジットカードでの決済もOK。価格は735ユーロ、シューツリー90ユーロ、送料20ポンド。送料込みだとフランス価格のほうが安かったので、こちらで注文しました。
配送トラブル発生
ところが、コロナウイルスの影響で混乱が生じていた最中の注文だったためか、包装が十分丁寧になされておらず、その結果、靴箱がばらばらになっていました。。
シューツリーにはひびが入っていました。配送中に強い衝撃が加えられたのでしょう。
ウエストンの神対応
さすがに当時はだいぶんこたえましたが、意気消沈しながら返金・返品の手続を依頼すると、担当者からお詫びにマイサイズのユージーンゴルフとシューツリーをプレゼントするという申し出がありました。当時、店舗もファクトリーもクローズしていたので少し時間がかかりましたが、店舗の再開後、無事到着しました。
前回の反省を生かしてか、厳重に包装されていました。
全景
こちらが全景。丸みのあるフォルムはゴルフに似たものを感じます。このほか、これからの季節に映えるアイボリーのモデルもあります。
ロシアンカーフも多少の小雨ではシミになったことはありませんが、スエード+ノルヴィージャンステッチであれば本振りの雨でも耐えてくれそう。
ソールはゴルフのそれと同じ、ウエストン専用のもの。ゴルフのときに感じましたが、ウエストンのラバーソールは長時間履いていても蒸れにくい気がします(他方でダイナイトは経験上結構蒸れる印象)。
ステッチのボリューム感はさすが。
ラスト・サイズ感
ゴルフとラストが違う点と、ウィズ展開がDウィズのみである点は要注意です。ジャーミンストリート店の店員さんには、手持ちの靴のサイズ感(ゴルフ(6ハーフC、きつい)、180ローファー(6ハーフD)、ハント(7D)など)から6ハーフDを勧められましたが、捨て寸はぎりぎり、ウィズは180ローファーやハントよりややきつめ。ゴルフは日本に置いてきてしまったので履き比べられませんが、甲周りはゴルフCウィズのそれよりもきついのでは、くらいの感触です。再送時には7Dにサイズを上げてお願いしたところ、これがジャストでした。
ゴルフでEウィズ以上を履かれている方には、おそらくタイトすぎると思います。ゴルフと見た目が同じだからといって試着をスキップするのはリスキーでしょう。
Made in…??
実はこの靴、インソックを見てみると、通常ある「Made in France」との刻印がありません。
公式ウェブサイトなど大々的には明らかにされていませんが、複数の方に確認したところ、どうやら、アッパーまでの工程をフランスで行い、ソールの縫い付けなどその後の工程をポルトガルで行っているらしく、そのあたりがこの微妙なロゴにつながっているようです。ポルトガルといえばカルロスサントスが有名ですが、フランスよりも賃金が安いため手間がかかる縫いの工程がアウトソースされたのでしょう。
ジェイエムウエストンといえば、リモージュの工場で作られているイメージがあり、この特徴も購入動機の一つとなり得ると思いますが、この判断は好みが分かれそうです(実際、私が聞いた限りでは、否定的な感想をお持ちの方もいました)。ジョージクレバリーやクロケットアンドジョーンズのように、全部または一部のコレクションを他のメーカーに委託するところもあるので、これとウエストンのケースをどこで線引きするのかは難しいですが…
過去にはルモックの生産を当初イタリアのメーカーに委託していたものの、その後リモージュでの生産に戻した、という例もあります。ユージーンゴルフについても今後方針が変わるかもしれません。
純正スエードスプレー+防水スプレーで万全
使用前に、黒のスエードスプレーと防水スプレーを塗布して準備完了。履きおろし初日から強めの雨に降られましたが、しっかりと雨を弾いてくれました。
最後に
その出自は賛否両論かもしれませんが、天候を気にせず履けるというのは大きなアドバンテージでしょう。日本のショップも営業再開したようなので、ご興味のある方は試し履きしてみてはいかがでしょうか。
コメント
こんにちは。
コメントは初めてですが,素敵や靴や服のお話を,いつも楽しく拝見しています。
靴の性能とは関係がないのですが,この靴の「読み」が気になっていました。
スペル(真ん中のeに`が付く)からして,間違いなく「ウジェーヌ」だと思うのですが,
ウエストン日本はどうして「ユージーン」とあてたのか?ということです。
まさか本国の読みを知らないはずないので,英語圏では「ウジェーヌ」が発音しづらいのか,
とか,靴自体よりもそっちが気になって,もやもやしてます笑
Jermyn St.店などで問合せされる際は,「ユージーン」を使用されていましたか?
たらりこさん、コメントいただきありがとうございます。また、ブログもご覧いただいているとのこと、恐縮です。
ジャーミンストリートの店員に電話したときはユージーンと発音していた記憶です(英語読みしていたのだと思います)。私もご指摘を受けてウエストンの公式サイトのヒストリーを見てみましたが、創業者の息子の名前はユージェーヌとなっていて、訳揺れがありますね。揃えたほうが美しいと思いますが…笑