ドイツで手術した話と医療通訳の探し方

ドイツ

私は、スキー中の転倒で前十字靭帯を断裂させてしまったため、再建手術をドイツのシュトゥットガルトで受けました。本記事では、その時の経験や医療通訳の探し方をご紹介します。

初心者は要注意!ヨーロッパの広すぎるスキー場

私が行ったのはオーストリアのKitzbuelのKitzSkiというスキー場。アルプスにあるスキー場の中では小さめのスキー場ですが、日本のスキー場に比べるとかなり広いです!私が「今まで来たスキー場で一番大きい!」と興奮していると、リフトで相席したドイツ人は「今まで来たスキー場で一番小さいよ。」と不満そうでした。笑

上・中・初心者向けのバラエティ豊かなコースが入り乱れており、道を間違えると上級者コースにたどり着いてしまいます。私が転んだのも、コースを間違えて上級者コースを下らないとホテルに戻れない、という状況でした。初心者は欲を出さずに、手頃な初心者・中級者コースしかない道を事前にしっかり調べて滑ることをおすすめします。

受付は意外と英語が通じない

ドイツ人は英語が話せるというイメージがありましたが、それは誤り。医療系でも、お医者さんは話せますが、私が通っていた整形外科では、受付の人はTuesdayとThursdayを間違うほどに英語が苦手でした。曜日くらいドイツ語で言えない私が悪いんだ…とドイツ語を学ぶいい動機付けになりました。

通訳は領事館で探せる

レントゲン・MRI検査は、(本当は通訳を付けた方が望ましいと文句を言われつつも)お医者さんが英語で説明してくれたのでなんとかなりましたが、手術が全身麻酔を伴うものであったこともあり、手術前説明にはさすがに通訳が同席していないとダメと言われてしまいました。

そんな時に役立ったのが、日本領事館の通訳者紹介制度です。在シュトゥットガルト日本国名誉領事館に通訳を探していると事情を話すと、ドイツ語・日本語を通訳してくれる人の一覧がもらえました。リストには20人弱の通訳者がいて、参考欄に「在住歴35年」「医療通訳が扱える」「会社関係通訳経験あり」「休日のみ対応可」などの情報が書かれています。バリバリの通訳専門家というよりは、どちらかというと、在住歴の長いドイツ語が堪能な方が善意で空いた時間にサポートしてくれるという印象です。料金も一時間30€、その後10分毎に10€という相場が開示されており、予め料金予想ができるので頼みやすかったです。私の場合は難しい医療通訳ということもあったので、任意で料金を多少上乗せしました。

実際の手術の事前説明はどうだったかというと、ほとんどお医者さんが英語で話してくれました(苦笑)。とはいえ、お医者さんとドイツ語でやり取りした部分も多少ありましたし、説明後の受付や手術日程調整などの際は、担当者がドイツ語で話してきたため、通訳さんに大活躍いただきました。通訳さんがなかったら、意思疎通が出来ずにたらい回しにされていたように思います。

異国の地で、一人で病院に行くというのは気分が重くなるものです。通訳さんが一緒に来てくれたことで、言語だけでなく、何よりもメンタル面で大きな支えになりました。

医療方針は日本と大分違う

人生初の手術だったので不安だったこともあり、手術や治療についてはどんな事が行われるのか、事前にグーグルでかなり調べました。結果、色々と日本とドイツでは医療方針が違ったのでかなり戸惑いました…!

例えば入院日数。日本で10年前に同じ手術をしたことのある友人は1ヶ月入院したと話しており、ネットでも最近の日本では1週間の入院が通常というようなことが書かれていましたが、ドイツの病院からは入院は1泊、痛みが強いようなら2泊と言われました。こんなに入院が短くて大丈夫かと不安になりましたが、病院のベッドでじっとしているよりも、慣れ親しんだ我が家のベッドにいた方が痛みが気にならなかったから不思議です。家にいると必然的に病院にいる時よりも動かなければならないので、いい気分転換にもなりました。

ドイツでの病院食。

買って便利だったのがキャスター付きの椅子。いちいち松葉杖で歩くのが面倒だったので、家の中はこれに乗って移動しました。これはかなり大活躍しました。あとは、膝まで隠れる防水カバーも重宝しました。

もう一つ大きな差はリハビリ。日本では術後翌日からリハビリするようですが、ドイツでは術後2週間はマッサージのみ。リハビリしないと筋力が落ちると聞くのでこれは不安になりましたね。なんだか怖かったので、こっそりYouTubeで調べて自分で少しだけリハビリをしていました。このコソ練に意味があったのかどうかはわかりませんが、術後経過は問題なく、リハビリ完了時期(6か月後)には正座はできないものの、日常生活に問題ない程度に回復しました。12ヶ月後には正座もできるようになりました。

まとめ

本記事では、私がドイツで手術した時の話をご紹介しました。この怪我を通じて、病院でもお医者さん以外は意外と英語が通じないこと、領事館が通訳紹介をしてくれること、ドイツと日本の医療方針と結構違うことが知れて、いい経験になりました。

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