【2021年12月】日本帰国レポート②(隔離ホテル編)

ホテルでの隔離生活

2021年12月下旬、駐在期間が終了したため日本へ帰国しました。イタリアからの帰国なので検疫所指定のホテルでの隔離期間は6日間。幸い、私も同乗者も陰性であったため、ホテルでの隔離期間は延長されませんでした。本記事では、隔離ホテルでの体験や様子を紹介します。

日本帰国レポート(帰国準備~入国編)はこちら

ホテル入室手続

まず、ホテルでの隔離期間は、ホテル入所日の翌日から数えた日数なので要注意です。つまり、6日間隔離=6泊7日です。

成田空港からホテルに到着すると、家族連れ(夫婦2人の場合も含む)からバスを降りて入室手続をするよう案内されました。おそらく広い部屋を優先的に割り当てるためだと思います。

入室手続では、ホテルでの過ごし方に関する説明資料と体温計が渡されました。ホテル滞在に関する説明の概要は以下の通りです。宿泊先ホテルによって規則が違うようですが、ご参考までにご紹介します。

  • 毎朝8時までにホテル宿泊者専用チャットで体温を報告する。
  • 6日間隔離の場合、入室日翌日から3日目、6日目の朝に唾液検査を行う。唾液は検査官が7時に部屋に取りに来る。
  • 朝食8時、昼食12時、夕食18時。ドア前に弁当が配食される。
  • コインランドリーに行く以外は部屋から出てはいけない。
  • ゴミはゴミ袋にまとめて部屋前においておけば、回収してくれる。
  • 枕カバーやタオルはフロントに電話すれば交換してくれる。
  • 差し入れ、デリバリー、ネットショッピングは事前決済の場合のみ可。冷凍・冷蔵など温度管理が必要な食事の配達は不可。配達された食品はスタッフが受取り、中身を検品したうえで、部屋前に置いてくれる。
  • ホテルから荷物を発送することはできない。
  • 最終日はバスで成田空港へ行き、解散する。

案内された客室はこんな感じ。夫婦二人での入室だったのでツインルームでした。

窓からは遠目に富士山が見えました。

以下、ホテルでの主な過ごし方について紹介します。

ホテルへの体温報告

宿泊者は泊っているホテル専用のチャットで体温を毎朝8時までに報告しなければなりません。お昼を過ぎても報告し忘れているとフロントから部屋に電話がかかってきて、リマインドされます。

MySOSへの報告

検疫所からはMySOSのアプリを通じて監視されます。MySOSから来る通知は①プッシュ通知②ビデオ通話の2種類です。

プッシュ通知は、通知が来たら左端の「現在地報告」ボタンを押せば完了です。一日に2~3回通知が来ます。通知の時間は毎日違うので読めません。

このようなプッシュ通知が来ます。
現在地報告ボタンを押して報告。

ビデオ通話は、着信があるので、自分の顔と背景が映るように30秒間電話に出る必要があります。電話と言っても一方的にこちらの映像が録画されているだけで相手から何か発言があるわけではなかったです。一日に2回、着信があります。着信の時間は毎日違いますが、10時~13時に1回、16時~19時に1回であることが多かったです。早朝・深夜にかかってくることはありませんでした。

アプリで着信が来るので、日本の電話番号を持っていなくても大丈夫です。
人型に自分の顔を30秒間映します。

なお、真ん中の「健康状態報告」を押して1日1回、健康状態を報告します。

右端の「待機場所登録」ボタンを押すと、GPS機能でその場所が新しい待機場所として登録されます。ホテルに移動した時や、ホテルから自宅に移動した時に使うボタンです。

唾液検査(3日目、6日目)

唾液検査は朝が早いです…!唾液検査キットは朝6時50分までにドア前に配られ、それを使って朝7時までに唾液を容器に入れ、検査官が回収に来るのを待ちます。寝坊しないか検査の前日はドキドキでした。笑

検査結果はその日の13時~14時頃、電話で知らされます。

お弁当

隔離期間中はお弁当しか楽しみがないので、毎回お弁当を撮影していました。笑 ご参考まで写真を載せておきます。

写真には写っていませんが、3食中2食にはインスタントみそ汁やフルーツ寒天が付いてきたりしました。また、ペットボトルの水500ml×3本が毎日支給されました。

お弁当は冷えていますし、業者が同じなのでメニューや味が似ていて6日間も食べているとさすがに飽きてきます。とはいえ、懐かしい日本の味が楽しめるのは嬉しいもの(しかも無料で)。ありがたくいただきました。

クリスマスの日はもしかしてクリスマスっぽいケーキとか出るかな、と淡い期待を持っていましたが、まぁいつもどおりのお弁当でした。

コインランドリー

コインランドリーは予約制かつ有料でした。洗濯・乾燥セットで500円、洗濯だけで300円でした。洗濯乾燥機は4台ありました。フロントに電話でコインランドリーを使いたいと予約の連絡をすると、スタッフがお迎えに来ます。部屋を出てからコインランドリーへ行き、洗濯物を入れ、部屋に戻るまでスタッフが監視しています。部屋に戻りドアを閉めようとしたときに、廊下で見張りのスタッフが無線で「〇号室のお客様、入室確認しました。」的なことを報告しているのを聞き、お客様と呼ばれてはいるものの囚人になったような気分でした…。

Wi-Fi環境

ホテル内にWi-Fiはありますが、一日のうち何回かネットの調子が悪い時間がありました。動画が止まるだけでなく、普通のウェブサイトの閲覧もできないほどにフリーズする時間が、一日当たり合計すると30分くらいはあったかなという印象です。それ以外の時間は動画も問題なく見られる程度に快適なWi-Fi環境でした。

デリバリー

ホテル滞在のしおりにはデリバリーできると書いてあるものの「受取ができない食品例:寿司、サンドウィッチ、牛丼、かつ丼、コンビニ弁当、おにぎり等」とも書いてあり、UberEatsはNGっぽいように思ったので頼みませんでした。

お弁当だけでは小腹が空くので、ネットスーパーでお菓子、インスタントコーヒー、みかんなどの果物を注文しましたが、問題なく受け取れました。

ホテル滞在中の荷物や手紙の発送

私が滞在したホテルでは、滞在者が荷物や手紙の発送をすることはできないと言われました。

私はDHL航空便で別送品を送っていたのですが、ホテル滞在初日にDHLから「荷物がDHLの保税倉庫に到着しました。速やかに別送品申告書をお送りください。荷物が保税倉庫に4日以上(土日祝日を除く)保管される場合には、その貨物に対して保管料を課金します。なお、料金計算は900円/運送状 or 15円/kg/日 のいずれか高い方となります。」というような内容のメールが来ました。DHL担当者にホテル隔離中のため、やむを得ず別送品申告書を送れないので、保管料免除にならないかとお願いしてみましたが、免除はできないと言われ、結局追加料金を支払うはめになりました。DHL航空便で別送品を送る場合には、早く送りすぎないことをおすすめします。

最終日

最終日は、朝にPCR検査をし、14時過ぎに結果が電話で知らされました。その電話で15時頃にバスで成田空港に出発するので準備をしておいてくださいと言われました。外を見ると駐車場に3台のバスが待機していました。

結局、フロントから出発の電話を受けたのは15時半頃でした。電話が来たら部屋を出て、フロントで体温計と部屋の鍵を返してバスに乗ります。毎日の体温報告のチャットは、ホテルから解放後は報告不要とのことでした。MySOSによる通知・テレビ電話・健康状態報告は帰国後14日間経過するまで続きます。

成田空港に到着したら、そのまま第2ターミナルのバス降り場で解散しました。

さいごに

ホテルにいたスタッフさんたちは皆親切で、重いスーツケースを代わりに運んでくれたり、タオル交換をお願いしたら10分以内には届けてくれたりしました。そのジャパンクオリティなテキパキさに感心させられました。

隔離経験者のブログやSNSを見ると、窓がない、消毒液くさい、タオル交換してくれない等マイナスな情報が目に付いていたので、どんなものかと心配していましたが、私の泊まったホテルは当たりだったのか、特に不快な思いはしませんでした。それでも部屋から出られず、お弁当のアナウンスだけを楽しみに過ごす6日間はやはりストレスフルで、囚人になったような、家畜になったような変な気分でした。もうこんな経験はしたくはないですね。この体験談が帰国を考えている人の参考になれば幸いです。

【2021年12月】日本帰国レポート(帰国準備~入国編)はこちら

コメント

  1. なんとご帰国されていたのですね!
    長きにわたる駐在、そして困難な帰途、大変お疲れさまでした。

    大変な時期だったこともあり現地では様々な苦労もあったかと思いますが、革靴的な視点に絞れば非常に素晴らしい収穫もあったのではないでしょうか。笑
    数々のビスポークや豊富なお店情報を拝見していると、日本は本場から遠く離れた土地だなぁと思わざるを得ません。

    現地ならではのお話も日本のコレクションのお話も引き続き楽しみにしております!!

    • 散財夫婦散財夫婦 より:

      もでぃふぁいどさん、ありがとうございます!後半はもろにコロナの影響を受けてしまいましたが、欧州の革靴について知見を深めることができました(失ったお金については振り返らないことにします。笑)
      とはいえ日本もUdaさんを含め素晴らしい職人や信頼できる修理屋さんが沢山いらっしゃいますし、伊勢丹みたいなショップは欧州にはないので(Safariさんとの企画やばいですね…)、日本は革靴好きにはとても住みやすい場所だと思います。
      ネタ切れ気味ですが、なんとか絞りだしていきたいと思います!!