ロンドン屈指の老舗の傘屋、ジェームズスミス&サンズ(James Smith&Sons)

James Smith & Sons

イギリスの傘として日本で有名なFox Umbrellas。実は、ロンドンに同社に負けず劣らずの伝統を有する傘屋、ジェームズスミス&サンズ(James Smith&Sons)があります。先日のロンドン訪問で同社の傘を購入したので、店内の様子とともに紹介します。

ブランドヒストリー

ジェームズスミス&サンズは、1830年に創業したロンドンの傘屋。1857年には現在店舗を構えるNew Oxford Streetに移転しました。当時からほとんど変わっていないというヴィクトリアン調のいでたちが歴史を感じさせます。19世紀中ごろにはロンドン内で複数店舗を構えていたようですが、戦後は現在の1店舗のみが残っています。

アクセス

  • 営業時間:10時30分~16時30分
  • 定休日:日・月・祝

地下鉄ホルボーン駅またはトッテナムコートロード駅から徒歩10分以内。通りの角にあり、独特の外観もあいまって見落とすことはないと思います。近くには大英博物館があり、観光ついでにも行きやすい立地。お好み焼き屋のあべのや、ラーメン屋の一風堂・金田屋もあります。実際、この日も店舗を訪れる前に金田屋に行ってきました(笑)

コロナウイルスの影響で営業時間が変更される可能性があるので、訪問前にはウェブサイトで確認されることをお勧めします。

James Smith & Sons

店内の様子

店内に一歩足を踏み入れると、そこは別世界。傘が店内を埋め尽くす様子は圧巻です。フォックスアンブレラは直営店を持たない営業形態なので、ここはジェームズスミス&サンズならではの魅力だと思います。

アニマルヘッドの傘も豊富。ちょっと怖いですね(笑)ホームズらしきものもありました。

傘以外にも、Seat Stickと呼ばれる携帯用のいすもありました。もともとは、狩猟の際に利用されていたそうです。

ちなみに、自社ブランド以外にも、フルトンやクニルプスなどの折畳傘もあります。妻はここでクニルプスの折畳傘を購入。ドイツ製品なので、ドイツに帰ってから買ったほうが安かったでしょうが、次の日から旅行した湖水地方は大雨だったので、ここで買って正解でした。

木の傘!?

店内を見学していて目に止まったのがこの傘。

これはSolid Stickと呼ばれるもの。Hazel(ハシバミ)、Ash(タモ)などの木製。

耐久性に優れており、杖として使うこともできるそうです。何本か握らせてもらうと、重さは感じるものの、しっくりなじむ感じがあり、購入を決意。手がポリッシュされているものとそうでないものがありましたが、風合いに惹かれポリッシュなしのものにしました。

長さの調整中。Walking Stickを利用し、最適な長さを決め、先端をカットします。

長いほうがエレガントに見える一方で、杖としては使いづらくなることもあり、インチごとに調整していきます。先端のカット自体はバックヤードで5分程度で終了。

かわいい袋に梱包してくれました。

全景

全景はこちら。Hazelの緑が混じったような深みのある色が気に入り、こちらにしました。

開いてみるとこのとおり。布の色は渋めのブラウンにしました。

取っ手付近の留め具は、傘が雨に濡れたときに傘全体を巻かず、かつエレガントに見えるようにとの工夫だそうです。

実際にはこんな感じになります。

お手入れ

木製部分は、店舗ではカルナバワックスを含んだ専用のワックスを使用しているとのことでした。サフィールノワールのニュートラルあたりでもいけるのかもしれませんが、いずれにせよあまり気にせず使うつもりです。

雨に濡れたあとは、先端を上に向けて乾かすことが大事だそう。これは、木全体が濡れて痛むことを防ぐため。日本の梅雨のように、連日の雨での使用は避けたほうがよさそうです。

なお、店舗に持ち込み・郵送による修理は可能。例えば、傘の骨部分の取り換えは25ポンド。ただ、日本からの郵送だと送料がかさむため、日本で対応可能なところを探すことになりそう。この点は、国内に取扱店があり修理も可能なフォックスアンブレラのほうがベターでしょうか。

最後に

使用時には少し気を使いますが、雨の日が少し楽しくなりそう。大事に、かつこまめに使っていきたいと思います。

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