先日、ミュンヘンにある世界最古の現存する靴屋、エドワード・マイヤー(Eduard Meier)に行ってきました。こちらの記事では、世界唯一の店舗の概要や主要な靴について紹介します。
エドワード・マイヤーとは?
エドワード・マイヤーは、創業1596年の現存する世界最古の靴屋です。日本はその頃まだ安土桃山時代。現在はミュンヘンの実店舗以外で販売はしていないこともあってか、日本ではさほど知名度の高くない靴屋ですが、歴史面では他を圧倒しています。
もともとはビスポーク専門の店舗としてスタートし、その後既製靴、そして服飾全般へと展開を拡大しました。19世紀にはバヴァリア(バイエルン)王室からワラントを授与されました。いわばバイエルン王室御用達といったところでしょうか。バイエルン王国自体は第一次世界大戦後に滅亡しましたが、それ以降もワラントを使用しているようです。
なお、残念ながらビスポークは2004年以降取りやめたとのこと。
店舗概要
Ed.Meier Munich
- 住所:Brienner Strasse 10 D-80333 Munich
- 営業時間:10時~20時
- 定休日:日曜日
店舗はミュンヘンの1か所だけ。ドイツのお店は、スーパー等を含めて法律で原則として日曜日の営業が禁じられています。ここも例に漏れず日曜定休なので要注意。徒歩5分圏内にレジデンツというバイエルン王室の宮殿もあるので、観光がてら立ち寄れる立地です。
トータルショップ
エドワード・マイヤーは総合洋品店といった趣で、靴以外にも洋服全般が販売されています。
1階は鞄や革小物などの販売に加えて、様々な商品の展示が中心。
靴コーナーは2階
2階に上がると、商品がずらっと並んだ空間が。靴は右手奥に陳列されていました。
4種類のコレクション
コレクションは以下の4種類。なお、ドイツ語の公式サイトを英語にグーグル翻訳して確認したので、不正確な点があるかもしれない点、ご了承ください。
- レッドタン(1100ユーロ):ハンドソーン
- グリーンタン(850ユーロ):グッドイヤー
- パープルタン(500ユーロ前後):グッドイヤー
- トラベラークラス(ブルータン)(500ユーロ前後)※製法未確認
その名のとおり、タンの先端にそれぞれの色が付されています。
下はグリーンタン。インターネットでは、クロケット&ジョーンズかエドワードグリーンのOEMとの情報を目にしましたが、作りを見る限り、確かにクロケットの靴と同じように感じました。
パープルタンについてはちゃんと見なかったのでよくわかりません。すみません。
こちらはトラベラークラス(ブルータン)。「スニーカー以上の履き心地」という売り文句。履いていないのでわかりませんが、カジュアルな靴がメインのようです。
ぺドゥフォーム(PEDUFORM)による快適な履き心地
エドワード・マイヤーは、20世紀初頭から整形外科学の大学教授などとともに整形外科学の見地を取り入れた快適な靴の開発に取り組んできたそうです。蓄積された研究結果は、1992年にペドゥフォームの開発という形で結実しました。
ペドゥフォームの特徴は、土踏まずをきっちり固定し、他方で足先にゆとりを持たせる設計。誤解を恐れずに言えば、オールデンのモディファイドラストと似た履き心地です。この点は、購入した靴のレビューでまとめたいと思います。
なお、少なくともレッドタンとグリーンタンの一部の靴、トラベラークラスではペドゥフォームが使用されていましたが、パープルラインについては確認していません。
ちなみに、ペドゥフォームを採用している靴でも、スタイルによって大分フィッティングの感触が違いました。何種類ラストがあるかは確認していませんが、要試着です。
やや癖のあるウィズ展開
ペドゥフォームを使用した靴については、ウィズ展開はB, DとEEの3種類。公式サイトではAAもあるとのことですが、店員さんによれば現在は上の3種類のみとのこと。
採寸
店員さんはこの道30年のスザンナさん。勤続最年長とおっしゃっていました。
オールデンやアナトミカと同様、ブランノックデバイスを使用して採寸。私の採寸結果は8ハーフCだったので、8ハーフDをベースに品定めをしました。
なお、採寸時にはコーヒーなどでおもてなししてくれます。こういったサービスもうれしいですね。
日本人泣かせの在庫
が、開口一番、「あなた足小さいわね」との一言。。ドイツ人向けに大きめのサイズを中心に製造しているそうで、案の定、小さめのサイズ(特にレッドタン)は在庫がほとんどありませんでした。私の場合、レッドタンは黒のUチップと黒の外羽根フルブローグの2種類のみ。UK7の私でこの惨状なので、私より足が小さい方はさらに厳しいかもしれません。。
グリーンタンの靴もいくつか出してきてくれましたが、買うならレッドタン一択と決めていたので、この二つから選ぶことに。幸い片方が驚くほどしっくりきたので、購入とあいなりました。購入した靴の詳細は次の記事で紹介します。
最後に
靴自体はもちろん、店舗の重厚さ・雰囲気など、現時点ではドイツでマイベストです。ミュンヘンに旅行される機会のある方は、是非時間を作って訪問されることをおススメします。
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