エドワードマイヤー(Eduard Meier)のレッドタン

Eduard Meier

先日の記事で紹介したエドワードマイヤーで、ハンドソーン製法を使用したレッドタンのUチップを購入しました。この記事では、独特の雰囲気が感じられるニューカマーの詳細について紹介します。

概要

  • モデル名:Ardeck
  • 価格:1150ユーロ(+シューツリー68ユーロ)

箱にモデル・ラストらしき情報が色々書いているのですが、公式サイトを含めて情報がなくよくわかりませんでした。。再度お店に行く機会があれば店員さんに聞いてみます。

(追記)

再訪時に店員さんに質問したところ、ARDECKがモデル名でした。ラストは082。Formの下三桁から来ているものと思われます。

レッドタンとは?

レッドタンは、エドワードマイヤーの最高級ラインに該当するコレクション。このコレクションのみ、ハンドソーン製法が用いられています。整形靴の見地から設計されたペドゥフォームと呼ばれるシェイプが採用されています。各コレクションの詳細については前回の記事も併せてご覧ください。

価格帯的には、ジョンロブ・エドワードグリーン・ガジアーノガーリングといった高級英国靴の主力商品より若干安い程度です。

領収書の裏。威厳があります(笑)

さっそくディテールを

第一印象は、思ったよりシュッとしているなと。何となく、ドイツ靴=東欧靴といったイメージがあり、ハインリッヒ・ディンケラッカーのようにぽってりした靴が多いのではと思っており、事実そういった靴もありました。他方で、この靴はボリューム感が適度に抑えられており、これなら仕事でも普通に使えそう。

ちなみに写真の靴紐は購入したときからいじっていません。アンダーラップは珍しいですが、これもフィット感を重視したものかもしれません。

鮮やかな青色の靴袋

ラバーソール仕様

ユニークなパターン

しかも、この靴にはラバーソールが採用されています。これはエドワードマイヤー独自のラバーソールだそうで、凹凸による適度なグリップ感に加えて、適度な柔らかさがあり、ダイナイトソールやリッジウェイソールなどの代表的なソールと比べて歩きやすいように思います。

ちなみに、結構な数のモデルでラバーソールが採用されており、その理由について尋ねると、ドイツは雨が多いから、とのこと。たしかに、一日ずっと雨が降り続けるというよりは、一日のうちの短い時間だけ雨が降ることが多いドイツの気候にマッチしています。特に、朝雨は降っていないのに路面が濡れていることがよくあるので、うれしい仕様です。

レッドタン

その名のとおり、タンの上部に赤いパイピング?がくっついています。さりげないアクセントになりなかなかよいです。

傾斜のついたヒール

わかりづらいですが、削れているわけではないのです

ヒールリフトを後ろから良く見ると、わずかに斜めに傾いています。これも履き心地を重視した仕様とのこと。快適な履き心地を追求するエドワードマイヤーの姿勢が現れたパーツです。

センターのシーム、よれてる??

片足だけでみると整っていますが…
右足(写真下)のシームが若干左にずれています

購入前に気になったのが、トゥ部分のセンターシームがややずれている(左右非対称)ように見えたこと。お店に行った日に、ステッチが一本綺麗に通ったフォスターアンドサンのキーブル(ドーバー型)を履いていたので、なおさら目立ちました。これは外れの個体なのかと思い、念のため他のサイズも見せてもらいましたが、どれも微妙にずれていることが判明…どうやらこれがスタンダードの模様。店員さんに質問してみると、ぺドゥフォームは左右非対称だから、との回答。でもそれとステッチの位置と関係があるのだろうか…知識不足でいまいちすっきりしませんでしたが、履く分には影響はないので考えすぎないことにしました。

丁寧なつくりです

ロイヤルワラント付きのインソック

詳しく調べていないですが、3種類ワラントが付いています。履いているうちに消えないことを祈ります。。笑

すばらしい履き心地

履き心地はアナトミカフィッティングのモディファイドラストに近く、アーチをしっかり押さえつつ、前方指部分に多少のゆとりを持たせる形状です。アナトミカフィッティングが好みの方はしっくりくる気がします。

せっかくなので、同サイズ(8ハーフD)のアナトミカオールデンと比較してみました。

上から見た写真はこちら。全体的にアナトミカオールデンのほうが横幅があるのに対して、エドワードマイヤーは細身です。

踵はエドワードマイヤーのほうが一回り小ぶりな作り。とはいえ、いずれもアーチでつかむ設計と理解しているので、履き心地上この点が大きな違いをもたらすわけではないように思います。

ウェストの絞り具合はアナトミカがやや強く見えますが、履いている分には大きな差異は感じません。

他方、アナトミカのほうが前方の幅を大きくとっており、これによってゆとりがより広く感じられます。

個人的には…

どちらも気持ち良く履けるものの、全体的なフィット感についてはエドワードマイヤーのほうが好みでした。アナトミカはアーチ前方のフィット感が後方と比べて気持ち弱いのですが、エドワードマイヤーはアーチ全体にぴったりフィット。もちろんカーフとコードバン、アンラインドなどの違いはあるので、完全に好みの問題だと思います。

シューツリー

シューツリーは68ユーロという中途半端な値段。ロイヤルワラントつきのプレートがいい感じです。

シュークリーム・ワックス

シュークリームについてはサフィール製(サフィールの丸瓶のクリームに貼っているシールと同じシールが貼っていました)。きちんと見ませんでしたがワックスも同様かもしれません。

オリジナルのレーダーオイル

大きめのレーダーオイルもありました。塗布用の筆もセットに。タピールの同種製品と似た成分だそうです。タピールのものがたっぷり残っていたので買いませんでしたが、次回訪問した際には記念に買ってしまうかもしれません。。

最後に

今までそれなりの種類の革靴を履いてきましたが、エドワードマイヤーは既製靴の中ではベストの履き心地でした。足入れするチャンスがあればぜひ体験してみてください。

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