2年前に訪れた、オールデンのモディファイドラストを使った別注で有名なアナトミカ(Anatomica)のパリ本店。店舗で経験したアナトミカフィッティングと購入した別注オールデンのエイジングを紹介します。
アナトミカ(Anatomica Paris)
アナトミカは1994年にピエール・フルニエ氏らが立ち上げたセレクトショップ。日本にも店舗がありますね。靴についてはオールデンにモディファイドラストにこだわった別注をかけていることで有名です。
店舗はパリ4区のマレ地区にあります。
アナトミカのパリ店
お店訪問はローランギャロスを見に行った2019年6月。ラコタハウスの採寸結果を参考に事前にメールでマイサイズの在庫があるか確認したところ、前後の在庫のある全モデルの情報を写真付きで送ってくれるという神対応。おかげで当日スムーズに選ぶことができました。
アナトミカフィッティングの採寸
アーチレングスで合わせる独特のフィッティングの手法を採るアナトミカ。フィッターさんは10年以上接客経験のある方で、早速採寸してもらいました。
ブランノックデバイスを使用。写真手前のつまみが示すアーチレングスは9ハーフ、ウィズはC、全長は9でした。普段のイギリス靴ではUK7Eがメインなので、アナトミカフィッティングの独特さが伺われます。
とはいえ、アーチレングスから導きだされるサイズを機械的に勧めるわけではなく、あくまで履き手の足の状態を踏まえてベストと思われるサイズを勧めるスタンスのようです。
私の場合は8ハーフDと9Dをそれぞれ試してみましたが(Cウィズは在庫なし)、フィット感のほか、9Dのコンディションがあまり良くなかったことなどから、最終的には前者を選択。
ちなみにワックスはサフィール製。大きいうえに他の靴屋に行く度に記念に買ってしまうのでなかなか減りません…
スペック
- モデル:56107
- 革:ブラックコードバン
- サイズ:8ハーフD
- ラスト:モディファイド
全景
購入から2年ほど経った現状はこちら。
純正のシューツリーは踏まずのあたりが出っ張るなど明らかに靴に合っていないため、入れていません(アナトミカの店員さんもやめておいたほうがよいと話していました)。
羽根のステッチは最初からとれていました。このあたりの雑さはさすがオールデン…(笑)
モディファイドラストの短靴は昔オールデンについてよく知らないままにSHIPSで店員さんに勧められて購入した7ハーフDのモデル(54321)を持っていますが、それと比べると、踏まずの後方ではなく全体がきちんと支えられる感じ(靴内部の盛り上がりがアーチにきちんと合っている感覚)があります。
別注ポイントであるタン裏のフェルト。あとはアンライニングであることがアナトミカ仕様の大きな特徴ですね。
シワ入れの要否
個人的にはシワ入れにはこだわらない派ですが、アナトミカ別注のモディファイドラストの靴に関しては、シワ入れした方がよかったと思っています。というのも、アーチフィッティング準拠でサイズを選ぶ場合、通常よりも大きめのサイズになるため、通常ではできない箇所に変なシワができる可能性があるためです。
私の場合、親指のあたりにうねったようなシワができ、歩くたびに軽く当たって不快な時期がありました。最近はそこまで気にならないものの、この点は事前にシワ入れしておけば防げたのではという気がしています。
最後に
前方のスペースが確保されながらもアーチ回りがホールドされる感覚は独特のもの。コアなファンがいるのも納得です。
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