フォスターアンドサン、既製靴の新作をゲット!【最高級ラインの特徴も】

Foster & Son

今年5月に、フォスターアンドサンの本店で、今年から新たに販売開始された既製靴のセミブローグ(サンドリンガム)を購入しました。シューツリーを手に入れるまで、長い道のりでした。。。この記事では、ディテール、履き心地等を紹介します(次いでローンチされた高級ラインについてはこちらでレビューしています)。

フォスターアンドサンの新既製靴とは?

ノーザンプトンの新設工場で製造開始した新ライン

同社は、既製靴については従前他社に製造委託していましたが、日本の会社である双日の増資を受けて、2019年に新たに立ち上げた自社工場にて製造を開始したそうです。30年以上ぶりにノーザンプトンで開設された靴工場ということもあって、現地のニュースでも取り上げられていました。ジャーミンストリートの店舗で販売開始されたのは今年3月頃だったと記憶しています。

プレスリリース(双日ジーエムシー)

https://www.sojitz.com/jp/news/docs/sojitz-gmc_181221.pdf

Northampton’s first new shoe factory in decades to open (BBC)

First new shoe firm for town in decades
Northampton was once the shoemaking capital of the world but many manufacturers have moved abroad.

なお、余談ですが、イギリスの会社の基本情報は、Companies Houseというウェブサイト上で公開されています。例えば、下記の資料を合わせ読むと、双日が2018年4月にフォスターアンドサンの関連会社(Foster & Son Northampton Limited)に対して1,100,000ポンドの増資を行い、同社の50%株主となったことが推測されます(注: 2019/7/28付でリンク切れ修正しました)。馴染みのある靴屋について調べてみるのも面白いかもしれません。

Confirmation Statement

Statement of capital following an allotment of shares

購入可能なモデル

現在展開中のモデルは以下の6型ですが、秋以降に追加予定とのこと。試作段階のモデルには、ホールカット、ダブルモンク、サドルローファー等がありました。

  • ローファー(色違いで3種類)
  • ストレートチップ(黒:レザーソール、ラバーソール、茶:レザーソール)
  • セミブローグ(黒)
  • 3アイレットダービー(黒)
  • チャッカブーツ
  • チェルシーブーツ
色展開を含め、現時点で購入可能なものはこれらで全部です
個人的にはダービーも気になりました

フォロワーさんから伺ったところでは、現在日本で展開されているのはこれらのうち一部のみだそうですが、量産出来次第、順次他のモデルも販売されるのではないでしょうか。

(2019/7/27追記)

7/26付で公式サイトがリニューアルされ(http://foster.co.uk/)、以下の新コレクションが追加されました。

  • フォスターコレクション
  • ジャーミンストリートコレクション
  • カントリーコレクション
  • イベントコレクション

この中で最上級ラインに位置付けられるのがフォスターコレクション。1200ポンド~とジョンロブのプレステージラインと同程度の価格(シューツリー込み)。個人的にはホールカットやバルモラルブーツが気になりました。店頭に並んだら、手に取ってチェックしてみたいと思います。

(2019/8/13追記)

先日フォスターコレクションの実物を店頭で見ました(品揃えの関係で写真撮影はNG)。展示されていたのはホールカットとタッセルローファーのみでしたが、店員さんから伺った特徴は以下のとおり。

  • フィドルバック
  • テーパードヒール
  • ベヴェルドウェスト
  • シームレスヒール
  • ヒール部分の段差(ユニオンワークスさんが「チッ!」と呼んでいる部分)
  • ジャーミンストリートコレクションと比較して手作業の割合が大きい
  • 革のクオリティはジャーミンストリートコレクションと同じ
  • ラスト毎の専用ツリー付き

秋冬に向けて、ウェブサイトに掲載されていないモデルも製作中とのこと。ガジアーノ&ガーリングのバーナムのような、一枚革のサイドゴアも販売予定だそうです。

作りの精緻さや、ビスポーク向けの意匠を積極的に取り入れている点では、同価格帯のブランドと比較しても十分魅力的ではないかと思います。アンソニークレバリーのような細身のラストが合わない方で、ビスポークの雰囲気のある靴をお探しの方にはぴったりかもしれません。

基本情報

  • モデル名:Sandringham(サンドリンガム)
  • ライン:ジャーミンストリートコレクション
  • ラスト:66
  • 価格:780800ポンド(+シューツリー79120ポンド)(2020/3/28改訂
  • ウィズ:E
トウとメダリオンのバランスが好みです
袋もなかなかの存在感。ワックス、靴箱とともに

ディテール

アッパー

見て触った感じでは革質は良さそうです。ステッチピッチは1インチ当たり13針。ちなみに、手元にあるクロケット&ジョーンズのハンドグレードは10針、エドワードグリーンは13針でした。

ソール

レザーソールについては、オークバークを使用。試作段階ではフィドルバックを採用していたそうですが、ハウススタイルであるフラットなソールに変更したとのこと。

ラバーソールについては、ハルボロ社が製造している3種類のダイナイトソールのうち一番グレードの高いものを使用(低いものはローク等、真ん中のものはクロケット等で使用しているのでは、とのこと)。従来の既製靴では真ん中のグレードを使用していたそうですが、今回採用したものとは突起の数が異なるほか、手触りも今回の物のほうがより滑らかでした。

左が新作、右が従来品。

ラスト

66、83、5の3種類。由来については、興味があれば店舗で聞いてほしいのでSNS等には上げないでとお願いされたため、是非聞いてみて下さい(笑)

価格

クロケット&ジョーンズ(ハンドグレード、500ポンド台)と、ジョンロブ・ガジアーノ&ガーリング・エドワードグリーン・アンソニークレバリーの主要モデル(1,000~1,200ポンド)の間の780~790ポンド。

クリーム・ワックス

いずれもサフィール製。なお、ジョージクレバリー、クロケット&ジョーンズ、ガジアーノ&ガーリング、チーニーもサフィール製のクリームを採用しています。

履き心地・サイズ感

店員さんが強調していたキーワードは「ビスポークフィット」。ウェストは適度に絞られており、踵も小ぶりで丸みがあります。踏まずがぐっと持ち上げられる感覚は、グリーンに近い気がしました。

ウィズは一般的なEウィズとFウィズの中間程度とのことでしたが、絞り込みもあってか、幅広な印象は受けませんでした。

敢えて言えば、グリーンの202の踏まずのフィット感をもう一段階高めたような感じで、個人的にはロブ(7000、8695)、グリーン(202)、クロケット(337、348、376)等よりも足に合う感覚がありました。他方で、ガジアーノ(MH71、KN14)ほどのタイトフィット感はないように思いました。

サイズ感は、通常のUKサイズと同じで大丈夫そうです。マイサイズは7ですが、これも7でジャストフィットでした。

どこかで見たことがあるような気も…?

全体の雰囲気は、グリーン、ガジアーノのクラシックコレクションあたりに近いのかなという印象です。現時点では定番モデル中心のラインアップであるため、他のブランド(特に上記2つ)と一見したところでの差別化がなされているとまでは言えないかもしれません。私の場合、メダリオンやキャップ部分の大きさのバランスの良さに加えて、RTWのグリーンは小指が当たってしまい足に合わないこともあって、サンドリンガムを購入しました。

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なお、本国での価格帯はガジアーノのクラシックコレクション<フォスター<グリーンです。これらのブランドを含めて履き比べをされることをお勧めします。

靴紐は△

残念だったのが、靴紐が太すぎて緩められない&締められなかったことです。店員さんも認識していなかったようで、通し穴を大きく作るか、靴紐を普通の太さに変える必要があると話していました。結局、靴紐を普通の太さのものに変えてもらいましたが、元の靴紐を抜くのにも一苦労という有様。製造段階でチェックすれば容易にわかりそうなものですが、誰も気がつかなかったのでしょうか…

シューツリーを巡るお店の対応にはガッカリ

シューツリーはこちら。各ラスト専用のシューツリーがあるのは嬉しいポイントです。

多くのブランドのシューツリーを製造していることで知られるスプリングライン社製

ただ、これを手に入れるまでには紆余曲折がありました。。

  1. 5月上旬に靴を購入。シューツリーの在庫がなかったため、店員さんが入荷時期を確認して翌日には連絡するとの段取りだったものの、1週間経っても連絡なし。
  2. 1週間後に店舗で直接確認したところ、2週間程度で店舗に到着する見込みとの回答。
  3. 1か月経っても連絡がなかったため再度店舗に出向いたところ、シューツリーは店舗に届いていたはずだが、ピッティに出展するためシューツリーも送ってしまった、入荷時期を改めて確認してすぐに連絡するとの回答。おまけに、以前記入した電話番号の控えも紛失しているという始末。このあたりで苛立ちも限界に。。。
  4. 案の定入荷時期の連絡は来ず…同じ店員さんでは埒があかないと思い、別の店員さんに対応を要請。ようやく、スプリングライン社にシューツリーを注文してもらえることに。
  5. 7月上旬にリマインドして進捗状況を確認しつつ、靴本体をゲットしてから待つこと2か月強、ようやくシューツリーをゲット。

というわけで、フォスターのカスタマーサービスの(ロー)クオリティには驚かされました。そもそも、シューツリーを提供できる体制が整っていないのに靴を先行して販売するのは時期尚早だったのでは?と素人目線では思ってしまうところです。まあ、色々と大人の事情があるのでしょう。。。今後改善されることを願うばかりです。

最後に

現時点では選べるスタイルが限られていますが、秋以降徐々に選択肢が広がっていくのではないでしょうか。2019年度内には日本で旗艦店がオープン予定とのことで(上記プレスリリース参照)、今後の展開が楽しみですね。

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